縮毛矯正は例えていうとお医者様が行うハードな大手術のようなもので、
髪に対して複雑な処置を行います。
薬剤や熱の浸透により髪の細部まで行き届くのですが、その細部までは目で見る事ができません。
ですので、
目に見えない細部が、施術前はどういう状態なのか
目に見えない細部は施術によってどうなって行くのかをしっかりイメージしながら把握し、
それに対しての正しい処置を行う必要があります。
しかしそれが1番難しいのです。
クセを伸ばす縮毛矯正を希望される方は
これらを心がけていく必要があります。
お客様の今までの施術履歴や髪の現在の強度を理解した上で
必要な処置を決めていくのですが
普段の髪の扱い方には人によって違う部分もあります。
正しい扱い方を、守っていらっしゃる方もいれば
そうでない方もいる。
定期的にヘアカラーをサロンでする方もいらっしゃれば
毎回ホームカラーをされる方もいる。
特に、縮毛矯正をされる方はホームカラーを避けるべきです。
ホームカラーはセルフで髪全体に均一に塗るのはとても難しく、
サロンでのカラーに比べて
仕上がり状態がムラになる可能性が高い。
ということはダメージもムラになっています。
さらに、サロンでのヘアカラーは根元の部分と毛先などのダメージ部分と薬剤をわけて塗り分けをしてダメージ保護ができるのですが、
ホームカラーはそれらができないので過剰にダメージが重なってしまいます。
このダメージのムラや重なりが縮毛矯正にとって大きな障害となります。
なぜダメージが障害になるのかというと
縮毛矯正とは【クセを伸ばす力】と【髪を保護する力】との兼ね合いがあります。
髪のクセを変形させ、まっすぐに伸ばすのには
還元剤という薬の強いパワーが必要になります。
ダメージ部分に還元剤が余計に反応すると髪のダメージが更に進行し、劣化してしまいます。
ですので、ダメージ部分には保護する力を与えて髪を守るのです。
しかし、髪を保護する力が強すぎるとクセを伸ばす力が足りなくなり
結果的にクセが伸びきらない状態や、ウェーブバックという、クセが戻ってくる現象がおきます。
この記事を書いたのは理由があります。
最近、縮毛矯正を希望される方の中に
かなりハードなダメージを抱えている方がいたり
ホームカラーでダメージや染まりのムラ状態の方が多くいらっしゃいます。
その場合、施術自体がとても難しくなり
【これは無理ですわ……】と美容師がサジを投げてしまうくらい、施術不可のケースもありますし、
施術したとしても完璧に伸ばせないか
髪がビビリ状態になるかのどちらかです。
もちろん、我々施術する側のレベルをあげる必要もありますので、常に最新の技術を追求しておりますが
ダメージの蓄積やムラはお客様自身によるものも多いのが事実です。
自宅でのシャンプーはご自身で選ばれた方も多いと思いますが、
現場でお客様の髪の状態を見る限り、実はご自身の髪質にマッチしていない方が結構多いです。
髪質や頭皮の状況にあっていないと、髪のケアの効率は悪くなり思ったほどダメージに対して効果は出なくて、それどころかダメージがより悪化する恐れもあります。
それに加え、髪の太さや毛量、クセの有無など千差万別。
なので、ケアアイテムは適切に選ぶべきであって
なかなか自分で判断するだけでは効果が期待できないこともあります。
ご自身で判断するよりも髪のプロに適切な物を選んでもらうと、確実に自分の髪にマッチした物を推奨してくれますので
担当の方にしっかり相談するべきでしょう。
あと、ヘアオイルはかなり重要です。
髪の保護をしてくれるだけではなく、ダメージを受けにくくなる効果もあります。
ヘアカラーを繰り返す場合やクセがある髪質、縮毛矯正をする髪にはヘアオイルがおすすめです。
きちんと毎日シャンプー、トリートメントをして
入浴後、乾かす前にヘアオイルをつけて乾かすようにしましょう。